2009年06月13日

2009/6/12産経 不満広がるパキスタン避難民キャンプ

不満広がるパキスタン避難民キャンプ
産経 2009/6/12
http://sankei.jp.msn.com/world/asia/090612/asi0906122109008-n1.htm
パキスタンの北西辺境州にある避難民キャンプの1つを訪れた。そこで見聞きしたものは、イスラム原理主義勢力タリバンなど武装勢力に対する政府軍の掃討作戦で、避難生活の長期化を余儀なくされ、わが家へ戻りたくても戻れずに不満を募らせる人々の姿と声だった。(北西辺境州スワビ地区 田北真樹子、写真も)
 イスラマバードから高速道路に乗り北西へ1時間弱。インダス川を越えタバコ畑を抜けると、広大な砂地に広がるキャンプ地が現れた。「UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)」の文字が書かれたテントが延々と続く。スワビ地区にある「チョタ・ラホール・キャンプ」だ。主にスワト、ブネール地区から逃れてきた約6600世帯、3万200人近い避難民が暮らす。
 緑色の日よけ網がかかったテントもあれば、ないテントもある。
 「日よけがあるテントの人はコネがある証拠。わが家はこのキャンプができた当初からいるのに、まだ日よけをもらえずにいる。ここは汚職がはびこっているんだよ」
 そう話すのは、ブネール地区の警察官、ヤクーブ・シャーさん(40)。出身地による待遇の差別があるという。
 家族は夫婦と子供7人。テントの中は、ビニールシートの上に敷布団代わりのゴザが3つ並んでいるだけ。気温は40度を超え、扇風機の風が熱い。1センチ大のアリが何匹もゴザの上を這(は)っている。キャンプにはヘビやクモが多くいて、女性が先週、ヘビにかまれ死んだという。
   * * *
 実は、ブネール地区から来た避難民には帰還許可が出ている。政府軍が武装勢力を掃討したためだ。公務員は皆、職務への復帰を命じられ、警察官のシャーさんも先週、自宅に戻った。
「家族がここにいるから休みを取って戻ってきた。家族と一緒に早く帰りたいけど、その金がない」
 車を使うにも、業者が弱みにつけ込んで高額な料金をふっかけてくる。
 政府は、避難民1世帯につき2万5000パキスタンルピー(約3万円)を支給する手続きを開始した。5月中旬に表明していた救済措置だ。ただ、金額だけが先走りし、実際にいつ手にできるのかわからない。避難民の期待は膨らみ、いらだちが募る。
 シャーさんは「政府が平和を取り戻すことを最優先にしているのはわかる。でも約束した2万5000ルピーも支払ってほしい。そうすれば家族を連れて帰れる」と語気を強めた。先月末にスワト地区から避難してきたザキル・フサインさん(25)も「早く戻りたい。政府は金をいつ支給してくれるんだ」と怒りの表情を見せた。
   * * *
 このキャンプは2カ月前に設営され、4段階に分けて拡張された。だが、「もう避難民を受けれ入れる場所がない」(州当局者)ことから、今週に入り新規の避難民登録をやめた。それでも、新たにやってくる避難民が後を絶たない。
 掃討作戦が生んだ避難民は200万人を超えた。軍は5月末から、国際テロ組織アルカーイダやタリバンの幹部が潜伏し、「テロリストの聖域」と呼ばれる北西部部族地域のワジリスタンなどでも攻撃を開始した。アッバス軍報道官は産経新聞に「武装勢力の指導層を掃討しなければならない。ワジリスタンは武装勢力の拠点だ」と語った。
 ワジリスタンでの掃討作戦が本格化すれば、さらなる避難民が予想される。掃討作戦と避難民問題−。“2正面の戦い”は続く。
posted by LMB at 19:59| Comment(0) | パキスタン難民 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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