2009年06月13日

2009/6/12 MSF スリランカ:マニク農園テント病院からの報告 ―6月5日現在―

スリランカ:マニク農園テント病院からの報告 ―6月5日現在―
国境なき医師団 2009/6/12
http://www.msf.or.jp/news/2009/06/1855.php
スリランカ保健省が避難民キャンプ内で傷病者に手当てを施すシステムを確立したものの、避難民のニーズは依然として膨大である。全ての緊急処置に対応するためには、24時間体制での医療を行うため、MSFチームがキャンプ内に常駐する必要がある。許可が下り次第、MSFはキャンプ内の避難民を対象とする外科処置および医療ケアを拡大する用意がある。
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スリランカ北部にあるマニク農園キャンプに住む避難民22万人にとって、MSFの空気で膨らませるエアーテントをつかった病院は、最も近い基幹病院となっている。入院病棟用に6つのテントが併設されたこの病院には、2つの手術室と集中治療室が設けられている。このテント病院で活動しているMSFの医療チームは、戦闘による負傷者と、肺炎やその他の重度呼吸器感染、下痢による脱水症状を患う患者の治療にあたっている。ベッド数100床のこの施設には5月22日に最初の患者が来院し、5月26日には最初の手術が行われた。
5つの区画に分けられたマニク農園キャンプから、入院を必要とする避難民を乗せて救急車が次々と到着する。およそ70人の患者がマニク農園から道路一本隔てただけのMSFの白いテント病院に入院している。
病院内の手術室では、何人かのMSFの外科医が毎日、6件〜10件の軽微な手術を、爆弾の爆発、銃弾もしくは事故によって負傷した人に行っている。必要であれば数回にわたる手術で、壊死もしくは感染した組織を傷口から切除する。切断を避けるためである。MSFの外科医であるマイク・D・ニューマンは語る。「戦闘による負傷で、処置が不十分なものが沢山あります。負傷から数週間、時には数ヵ月経ってから治療を受ける方がいます。」
患者で満員のテント病院の中で、包帯を頭に巻いた女性、セルヴァが診察を待つ。セルヴァは5月19日に同じくかつての紛争地帯、バンニ地方で負傷した。彼女の夫と長女も怪我をした。彼らは止血するため、傷にきれを巻きつけた。次の日、3人は戦闘を避けてオマンタイ検問所にたどり着き、ここで政府軍に検問所付近にある診療所に行く事を勧められた。しかしセルヴァは、診療所に行っている間に家族がバスに乗せられて避難民キャンプに連れて行かれ、離れ離れになることを恐れてこれを拒否した。(避難民キャンプ間での移動は厳しく制限されている。MSFにおいても、4月27日付けのニュースで、スリランカにおける前の活動責任者、アンマリー・ルーフは、避難民は家族と連絡をとることもできないと述べた。http://www.msf.or.jp/news/2009/04/1757.php) 2日後、マニク農園キャンプに着いてすぐ、セルヴァは混雑したキャンプの病院で治療を求めた。医師がセルヴァを治療するまでにはまた2日かかり、その頃にはセルヴァの傷は感染症を起こしていた。
彼女の隣のベッドでは、幾つもの外傷を負った18才になる少年、ディランがいる。腕と肩には負傷後3ヵ月になる銃創があり、膝には榴散弾の破片が入ったまま、1週間が経つ。ディランは膝にありあわせの布を巻いた状態でかつての戦闘地帯から2日間歩いた後、マニク農園キャンプで包帯を巻いてもらった。強い痛みを抱えたまま、彼はキャンプ内の病院へ行き、包帯を換えてもらい、いくらか薬ももらった。しかし、ここ3日間、経過観察を受けていない。薬で痛みは和らいだが、感染症が広がっていた。負傷してから8日後、ディランはMSFのテント病院に着いた。
ディペシュやディランのように、戦闘による負傷者が必要とする丁寧な経過観察を受けていない人は、何百人もいるとみられる。キャンプで活動している保健省の医師たちはベストを尽くしている。しかし、このような数の患者に対応するためには、24時間体制で患者の同定、治療、搬送にあたる必要がある。できるだけ早く負傷者や緊急処置を要する人をテント病院へ送り出すためである。
MSFはキャンプにおけるこれらの外科処置および医療ケアを拡大する用意があり、この件についてコロンボの当局と協議を続けている。
posted by LMB at 20:04| Comment(0) | スリランカ内戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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