2009年07月04日

2009/7/1 HRW イラン:暗殺未遂の後遺症を抱える革命派指導者の解放を

イラン:暗殺未遂の後遺症を抱える革命派指導者の解放を
Human Rights Watch 2009/7/1
http://www.hrw.org/ja/news/2009/07/01-3
(ニューヨーク)身柄拘束中のイランの著名な改革派指導者サイード・ハッジャリアンは、厳しい取調べや不適切な医療処置のために命の危険にさらされている、と本日ヒューマン・ライツ・ウォッチは述べた。2000年の暗殺未遂以降、ハッジャリアンは身体に深刻な障害を抱え、病を患っている。ヒューマン・ライツ・ウォッチは、イラン政府に対し、ハッジャリアンを治療に必要な医療設備を備えた病院へ早急に移送するか、家族のもとに返すよう求めた。
「抗議運動に対する弾圧の一貫として、イラン政府が、サイード・ハッジャリアンほど健康状態の悪い人を拘禁しているという事実だけでも、十分に遺憾である」と、ヒューマン・ライツ・ウォッチの中東・北アフリカ局長サラ・リア・ウィットソンは述べた。「加えて、厳しい拘禁の実態と虚偽自白を迫る取調べが、彼の命も危険に晒している。」
ハッジャリアン(55歳)は、今年6月12日に行われた選挙に対する抗議活動に対する大規模な弾圧の中、逮捕された。彼以外にも、数多くの著名な改革派政治家、文化人、ジャーナリスト、聖職者、学生指導者などが逮捕されている。彼は、2009年6月15日、容疑事実を明らかにされることもなく拘禁された。ハッジャリアンは継続的な治療を必要としており、健康状態も非常に悪化していると、彼と面会した妻(医師でもある)が語った。
ハッジャリアンは1980年代には諜報機関の高官だった。しかし、1990年代には、改革運動の指導者として活動。彼の新聞「Sobh-Emrooz」は、1990年代後半、著名な有識者が相次いで殺害されたり失踪した事件に、自らの古巣であるイラン政府の諜報省が関与していることを明らかにした。その後の1997年、ハッジャリアンは、モハメド・ハタミ大統領の政治顧問になり、1999年にはテヘラン市市議会議員に選出された。
Sobh-Emrooz紙のジャーナリストたちは、「連続殺害事件」(chain murders)と呼ばれるこれらの事件にムスタファ・ポール・モハマディとゴーラムフセイン・モーセニ・エズヘイがかかわっていると明らかにした。しかし、今に至るも、いずれも殺人への関与疑惑で訴追されていない。モハマディは、昨年までマムード・アフマディネジャド政権下で内務大臣を務め、現在は検査院(the General Inspection Organization)の長官をつとめる。一方のエズヘイは、現在諜報大臣を務めている。
「ハッジャリアンは、1990年代の一連の有識者の殺害事件に対する政府の関与を明らかにすることに大きく貢献した」とウィットソンは述べた。「彼の新聞が殺害事件に関与していると報じた2人の重要人物が、未だに政府の重要ポストに就いている。拘留中の彼の身の安全が深く懸念される。」
2000年3月12日、テヘラン市議会ビルの前で、何者かが、至近距離のハッジャリアンにバイクからに発砲。彼はこん睡状態に陥った。後に意識を取り戻したものの、後遺症が障害として残ってしまった。その後、イラン政府は、民兵組織バシジのメンバーであるサイード・アスガルを暗殺未遂の容疑で逮捕。彼は15年の懲役刑を言い渡されたものの、すぐに釈放されてしまった。
2000年の暗殺未遂事件により、ハッジャリアンは脳と脊椎に重傷を負った。この傷が、バランス感覚に深刻な影響を及ぼしているため、彼は車椅子がほとんど手放せない状況となっている。彼は、継続検査、看護、様々な投薬治療を必要としている。

この暗殺未遂事件後も、ハッジャリアンは改革派としての活動を継続。ハッジャリアンが刑務所内で死亡したとの噂をうけ、イラン政府は6月26日、妻のVajiheh Marsousi(医師)などのハッジャリアンの家族に短い面会を許可した。
面会後に妻の Marsousiがヒューマン・ライツ・ウォッチに伝えたところによると、ハッジャリアンの血圧は大幅に上昇し、精神状態も悪化。病態は刑務所に拘禁されてから悪化の一途をたどっている。「暗殺未遂以降、彼の血圧は平均より低いのが常だった。でも今、刑務所では、精神的に追い詰められていて血圧が上がっている。命に関わるほどのレベルだわ。刑務所の粗末な食事が病状悪化に拍車をかけ、心臓発作を引き起こす可能性もある」さらに、Marsousiは「私たちと会っている間、彼はずっと泣いていたわ」と、ヒューマン・ライツ・ウォッチに明かした。
Marsoussiによると、ハッジャリアンの取調べは絶え間なく続いている。そして、ハッジャリアンなどの改革派指導者たちがイラン政府に対して非合法的な陰謀に企んだという虚偽の自白に署名するよう圧力をかけられている模様。現在アメリカに滞在中の彼の医師Taghi Asadiは、ハッジャリアンの身柄拘束が続けば命の危険がある、とヒューマン・ライツ・ウォッチに述べた。
国連被拘禁者処遇最低基準規則は「特別の治療をを必要とする被収容者は、特別な施設または病院へ移送されるべきである」と定める。深刻な病状の被拘束者に対し、十分な医療処置を施せないことは、国際裁判所により、「非人道的または品位を傷つける処遇」という深刻な人権侵害に該当すると解釈されている。
「イラン政府は、ハッジャリアンの病状と障害を悪用して、強制的に残虐な取調べを行っている。おそらく、虚偽の自白を迫っているのだろう」とウィットソンは述べた。「これは非常に深刻な人権侵害であり、彼がすぐに十分な医療処置を受けられるようにしなくてはならない。まずは、彼をエビン刑務所から出すべきだ。」
posted by LMB at 20:37| Comment(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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