2009年07月30日

国際正義の論理 押村高 講談社現代新書

国際正義の論理 押村高 講談社現代新書 2008年10月

−目次−

はじめに

ある書簡と演説・しょせんは正義よりパワーではないのか・グローバル化と正義論のリバイバル・日本にとっての国際正義・「善く生きる」ことを選択した戦後日本

第1章 正義に「国境」ができるまで
1 ポリスの正義
神話的世界では・アリストテレス・ポリスの正義とポリス間の無正義・異邦人の視点
2 古代コスモポリタニズムからアウグスティヌスへ
キケロ曰く・善き人間・世俗的正義の凋落
3 十字軍と宗教改革
異教徒との戦いは神によって正当化される・キリスト教徒がなぜ不正を働くのか・カトリック的正義の崩壊・世俗的境界の台頭

第二章 「国際正義」の誕生と変転
1 主権国家あるいは民族の正義
正義の「国有化」・プレーヤーの減少がもたらしたこと・合意は拘束する、他国を害してはいけない・民族の正義・道徳的白紙委任
2 商人の道徳、カントの平和論
商業道徳は国境を越える・国家同士の関係にも・カントと近代コスモポリタニズム
現状の維持から理念の追求へ
3 環境と人道がふたたび「国境」を無化する?
理想的ルール変じて・・・ ・ドナウ川の汚染、チェルノブイリの恐怖・無過失責任
ステークホルダー理論を応用する・国内アクターにもグローバルな責任・「人間の安全保障」・生存権ではなく政治的権利としての主権

第3章 正義の交錯としての戦争
1 主権が発動されるとき
どちらが不正か・グロティウスの論理・無差別戦争観・歴史という「世界法廷」・勝算があれば・・・ ・戦いかたのルール・「中立」という手段
2 戦争違法化の夢をシュミットは笑う
第一次世界大戦という悪夢・衝撃の余韻・戦争の違法化へ・ケロッグ=ブリアン条約・シュミットの批判
3 第二次世界大戦の戦後処理と正義
全体主義国家の挑戦・宥和政策の果て・第一次大戦に学んでいた戦勝者・戦争を犯罪として裁く・反実仮想と原爆投下の道義性?

第四章 人道的介入
1 「カント的世界」の自責
「新しい戦争」の時代・擬似国際正義の誕生・「カント的世界」の市民の道義感覚・マイケル・イグナティエフは言う・武力介入の是非・介入してしまえば比較検証はできない・合法的な介入とは
2 対テロ戦争をめぐって
多くの知識人までもが・深刻な波紋・民主的帝国の使命・アメリカの過剰な自負心・唯一の超大国を説得できない脆さ
3 国際刑事法廷と真実和解委員会
「移行期の正義」・国際刑事法廷のメリット・ガチャチャ・歴史の正しき位置づけによる修復・むずかしい問題も

第五章 貧困の放置は不正なのか
1 地球的な不平等
国家間のすさまじい所得格差・アマルティア・センの視角・風土原因論と西欧責任論・独立から数十年が経過して・これまでの責任概念の限界
2 豊かな国が支える歪んだ体制
一九九七年のアジア通貨危機・体制こそが不平等を生む・最低限の義務の不履行−ポッゲの責任論・構造的不正−ヤングの責任論
3 債務のくびき
わずかな見とおしに希望を託すが・・・・ ・グローバリズムにも責任・ネオ・リベラルは不道徳か

第六章 行動する主体と責任
1 ケーパビリティー・アプローチ
「誰が」「誰に」・善意ではなく義務として−シンガーの解決法・権利の主体と対象の曖昧さ・生きるに足る生活を得るための能力・さらなる議論を戦わせれば
2 ロールズ問題
むしろアンチ・コスモポリタン・その国の政府に任せるほうが・・・・ ・現実的で、保守的になる理由・ロールズを超えて
3 国内的社会正義と国際的連帯義務
一市民としての行為なら・こと税金となると・コスモポリタンVS.コミュニタリアン論争・実際上は

第七章 文明と正義
1 時代により、地域により
文明の数だけ・単数から複数へ・とどめを刺したのは・「世界価値観調査」から見えること・正義による統合の危うさ
2 「文明の衝突」への回答
経験的に共通項を見出すには・通訳不可能な部分・アメリカの国内正義は手がかりになるか・契約論的な正義・カッコにくくる
3 対話のルール
公と私の分離の限界・対話のルールと対話者の責任・カントによる自己の普遍的超越・ハーバーマスの「コミュニケイション的行為の理論」・スミスの「公平な観察者」とセンの「不偏不党」

第八章 人権をめぐる文明間対話
1 世界人権宣言
「西洋の正義」の結晶・圧倒的多数の賛成で・紙切れの威力・ヘルシンキ・プロセス
2 イスラームと共有可能な人権とは
ウィーン会議・シャリーアとの抵触・カイロ宣言とアラブ憲章
3 アジア的価値観
リー・クアンユーは説く・共同体の維持を優先させた理由・一九九七年の金融危機以降・「対話の積み重ね」がグローバルな正義への道・創造的対話とコミュニケーション

あとがき
posted by LMB at 19:47| Comment(0) | 書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。