2009年06月05日

2009/6/5 MSF ソマリア:MSFの活動アップデート

ソマリア:MSFの活動アップデート
国境なき医師団 2009/6/5
http://www.msf.or.jp/news/2009/06/1843.php
激しい武力衝突がまたしてもソマリアの首都を揺るがす中、国境なき医師団(MSF)のチームは、救命を目的とする医療ケアを届けるべく、同国内での活動を続けている。
ソマリアの首都モガディシオ郊外のデイニール地区では、MSFが地元の病院を支援しており、医療チームは5月7日〜22日までの間に、爆撃や銃撃によって負傷した218人の治療にあたった。そのうちの81人は女性と14才未満の子どもであった。医療スタッフが激しい戦闘に巻き込まれないよう、5月14日、MSFはモガディシオ北部のヤクシドにある外来診療所を2日間、閉鎖せざるを得なくなった。
現在、診療所は再開され、医療スタッフは5月7日以降、外傷を負った14人の患者を治療した。そのうち、9人は銃弾による負傷者で、5人は爆撃による二次的損傷を負っていた。患者のうち5人は子どもで、生後6ヵ月の乳児も含まれていた。リドにある診療所では、人びとが戦闘を避けて同地域に殺到したため、診察数が急増している。ここ2週間で、外傷を負った22人の患者が治療を受けている。リドにあるベッド数50床の入院患者用病棟はすでに満室で、1週間の平均入院患者数は120人にのぼっている。5月第3週だけで、5才未満の子どもの外来診療は1200件を超えた。
その一方で、モガディシオから90km北のジョハールにあるMSFの妊産婦用および小児用診療所では、5月17日にその町で起きた戦闘以降、人びとが安全を懸念してMSFの診療所に足を運べなくなったため、診療件数が減少した。栄養プログラムへの新規登録者数は、その前週に比べて30%も落ち込んだ。同じ期間に妊産婦用診療所で診察を受けた女性も40%減少した。
モガディシオを逃れてくる人びとの多くは、モガディシオの北西部約25kmのアフグーエという町まで長く伸びた道路、「アフグーエ回廊」にそって避難している。2007年以来、MSFはこのアフグーエで活動を行っており、外来診療や栄養治療を行っている。5月18日、チームはアフグーエに最近到着したばかりの2500世帯の家族に、毛布やビニールシート、石けん、バケツを配布した。また、モガディシオから約15kmのハワ・アブディの近くにある私立診療所も支援しており、これまで使われていたテントが雨でひどく破損しているため、常設の入院患者用集中栄養治療センター(TFC)の建設に取り組んでいる。
MSFチームは、ソマリアの至る所で栄養失調で苦しむ子どもの数が急増するのを目撃している。ジュバ川下流地方のマレレでは、24時間のケアを必要とする患者が入院する入院患者用TFCへの入院患者数が、5月だけで45人から130人に増えている。近くのジリブでは、外来施設でさらに400人もの子どもたちが治療を受けている。南ガルカイヨでも入院患者数が増加しており、月平均の40人より多い、75人の患者が現在、入院患者用TFCで治療を受けている。北ガルカイヨでは、3月、4月以来、患者数が倍増し、およそ300人の子どもが通院ベースで治療を受けている他に、40人の子どもが入院治療を受けている。
はしかもまた、心配の種である。エチオピアとの国境に近いヒーラーン地方にあるベレトウェインでは、MSFチームが4月中旬にはしかの集団予防接種を開始し、生後6ヵ月から15才までの2万6千人の子どもたちに予防接種をしている。しかし最近になって、はしかの症例がアダド、グリ・エル市、デュサ・マレブ市、ガルカイヨなど中央ソマリアの他の地方でも発見されている。MSFは人びとの治療にあたるため、隔離センターを設置した。3月には南ガルカイヨで5人の患者を治療、4月には50人、5月には73人を治療した。MSFは今後もこの状況をきめ細かく監視し続ける。
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MSFはソマリアのバコール地方、バナディル地方、ベイ地方、ガルグドゥード地方、ヒーラーン地方、ジュバ川下流地方、シェベリ川中流地方、シェベリ川下流地方、ムドゥグ地方で活動を展開している。MSFの全プログラムは現在、ソマリア人現地スタッフによって実施され、治安が許すかぎりケニアのナイロビにある拠点から運営チームがソマリアを訪れ、活動をサポートしている。

モガディシオにおけるMSFのプログラムの一つでプログラム副責任者を務めるマームド・シーク・モハメド・ハッサンは、ここ数日の様子を次のように語った。
「戦闘はまだ続いています。5月22日から27日の間で、私たちは75人の負傷者を受け入れました。人びとは、22日の朝に病院に来ることはできませんでしたが、午後になってやって来ました。私たちはその日の午後に手術を始め、終わったのは23日の朝10時でした。長い夜でした。不幸にも、患者のうち3人が手術室で亡くなりました。彼らの傷はあまりに重症で、病院に来るのが間に合わなかったのです。私たちはどうすることもできませんでした。3人のうちの1人は幼い少女で、まだ13才に満たなかったに違いありません。彼女は砲弾を受けたミニバスに乗っていたのだと思います。
3人の患者が頭部に傷を負っており、現在、集中治療室で治療を受けています。しかし、モガディシオにはこの種の負傷に手術を施すことのできる病院がないので、私たちにできるのは苦しみをできる限り取り除いてあげることだけです。他の患者は回復に向かっており、元気にしています。
病院の近くには、たくさんの避難民が集まっています。彼らは、ここがモガディシオの郊外で安全だと知ってやって来るのです。病院周辺のそれぞれ異なる場所に、およそ1万8千人が屋根もないまま寝泊りしています。ここ数日間で、5千〜1万人が到着しただろうと思います。彼らは何も持たずここにやって来ます。私たちは先週、およそ2千世帯の家族にビニールシートを配布しました。人びとは自分たちで小屋を作っています。木の枝を使ってシートを建て、それをビニール袋やぼろ切れで覆うのです。しかし、最近ひどい雨が続いていて、人びとは本当に大変な思いをしています。」
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2009年06月01日

2009/6/1時事 「アルカイダ支配」確立の恐れ=原理主義強硬派が攻勢−ソマリア

「アルカイダ支配」確立の恐れ=原理主義強硬派が攻勢−ソマリア
時事 2009/6/1
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2009060100472
アフリカ東部ソマリアの首都モガディシオで、イスラム原理主義武装勢力がアハメド大統領の暫定政府打倒を目指して攻勢を強めている。暫定政府が倒れれば、国際テロ組織アルカイダの影響下にある支配体制がモガディシオに確立される恐れがあり、同大統領は「イラクやアフガニスタンに続くテロの聖地になってしまう」と国際社会に訴えている。
 戦闘は5月に入って激化した。市民を巻き込む市街戦が展開され、1カ月間で200人が死亡、6万人が市外に避難し耐乏生活を送っているとされるが、正確な数字は不明だ。
 武装勢力は「シャバブ」と「ヒズブル・イスラム」の2組織が中心で、双方とも源流は2006年に半年だけソマリア統一を果たした「イスラム法廷連合」に行き着く。
 06年12月に米国を後ろ盾としたエチオピア軍が法廷連合政権を倒すと、法廷連合の青年団だったシャバブは反エチオピアで結束。アルカイダから顧問を受け入れ組織を強化したとされ、今年に入って500人近いイスラム戦闘員が海外から流入、イラク式の路肩爆弾や自爆攻撃を駆使してモガディシオ陥落を目指している。(2009/06/01-14:40)
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2009年05月31日

2009/5/29四国 5G8が移民、海賊対策など協議/司法・内務相会合

G8が移民、海賊対策など協議/司法・内務相会合
四国 2009/5/29
http://www.shikoku-np.co.jp/national/international/article.aspx?id=20090529000400
【ローマ29日共同】主要国(G8)司法・内務相会合が29日、ローマで始まった。急増する移民の対策やアフリカ東部ソマリア沖の海賊取り締まりにおける国際司法枠組み構築が主要議題。最終日の30日に共同宣言を取りまとめる予定。
 日本からは小津博司法務事務次官、安藤隆春警察庁次長が出席した。
 移民問題で、開催国イタリアの中道右派政権は移民に厳しい治安法案を議会に提出。海上で捕らえた不法移民を十分な取り調べなしに、そのまま出身国に送還する強硬策を取り、国連や欧州連合(EU)から批判を受けた。会合にはEU議長国チェコ代表も出席、取り締まりと人道問題とのバランスをどう取るかで議論が交わされそうだ。
 海賊取り締まりでは、各国海軍がソマリア沖で海賊を拘束した場合、どの国の法律にのっとって裁くのか国際的枠組みがないため、同枠組みについて議論。また将来的にはソマリアに隣接するケニアに海賊専門の法廷を設置する計画もあり、ケニアなどへの財政支援のための基金づくりも検討される見通し。
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2009年05月26日

2009/5/24産経 自衛隊、アフリカPKO訓練に初の将官派遣 国連と協力

自衛隊、アフリカPKO訓練に初の将官派遣 国連と協力
産経 2009/5/24
http://sankei.jp.msn.com/world/mideast/090524/mds0905242011000-n1.htm
【カイロ=村上大介】アフリカ連合(AU)が創設を目指す平和維持軍の上級幹部育成を図る講習会が24日、エジプトの「アフリカ紛争解決・平和維持訓練カイロ地域センター(CCCPA)」で始まった。防衛省は今回、国連の要請に応え、自衛隊の将官を初めて講師として派遣した。
 講師を務めるのは、アフリカでの国連平和維持活動(PKO)経験を持ち、PKO業務に詳しい榊枝宗男陸将補(陸上自衛隊小平学校長)と東ティモール担当国連事務総長特別代表を務めた長谷川祐弘法政大学教授。6月4日までアフリカ14カ国から参加した軍幹部ら約25人に総合的な平和構築の理論教育や具体的な図上訓練を行う。
 スーダンやソマリアなど多くの紛争地域を抱えるAUは紛争解決能力向上のため、2010年をめどに常設の「アフリカ待機軍」設置を目指している。幹部養成の講習会は、AUが国連PKO局の支援で07年からこれまでに3回開催しているが、日本が国連と共同してこの枠組みに関与するのも初めてとなる。
 日本は国連開発計画(UNDP)を通じて08年度から10年度まで、CCCPAに総額約300万ドルの資金支援を続けている。
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2009/5/24CNN ソマリアで軍と過激派が新たに交戦 民間人40人死亡

ソマリアで軍と過激派が新たに交戦 民間人40人死亡
CNN 2009/5/24
http://www.cnn.co.jp/world/CNN200905240012.html
(CNN) アフリカ東部ソマリアの首都モガディシオではここ2日間、政府軍とイスラム過激派シャバブが新たに交戦し、戦闘に巻き込まれた民間人40人余りが死亡、約150人が負傷した。現地消息筋が23日、CNNに語った。
複数の医療関係者や目撃者によると、政府軍のシャバブ攻撃で22日に39人が死亡し、138人が同市内の病院に搬送された。また、ソマリアのウェブニュース「シャベルメディアネットワーク」は、23日に同市内で起きた散発的な戦闘や砲撃で3人が死亡、十数人以上が負傷したと伝えた。死亡した民間人の1人は自社の記者だったという。
戦闘はシャバブが大統領官邸まで進んだことを受けて始まり、政府軍はシャバブの拠点であるバカラーの市場などを攻撃した。複数の目撃者によると、22日の戦闘では少なくとも政府軍兵士3人が死亡し、複数のシャバブ戦闘員の遺体が目撃された。
ソマリアは暫定政府と反政府武装勢力の衝突や軍閥間の抗争が長引き、ほぼ無政府状態にある。シャバブは国際テロ組織アルカイダとのつながりを指摘されており、米当局からテロ組織に指定されている。
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2009年05月22日

2009/5/21MSF ソマリア:首都モガディシオにおける激しい戦闘を受けて診療所を閉鎖

ソマリア:首都モガディシオにおける激しい戦闘を受けて診療所を閉鎖
MSF 2009/5/21
http://www.msf.or.jp/news/2009/05/1814.php
内戦に引き裂かれたソマリアの首都モガディシオにおいて戦闘が再び激化、多くの負傷者と避難民が出ている。
国境なき医師団(MSF)は、医療スタッフが戦火に巻き込まれないよう、モガディシオ北部のヤクシドにある外来診療所を閉鎖せざるを得なくなった。現地の住民もまた、激しい戦闘から逃げ出した。最低限の治安が戻り次第、MSFは医療活動を続けるべく、この医療施設を再開する予定である。
一方MSFは5月8日からわずか1週間の間に、首都近郊にあるデイニール病院において爆発や銃撃による負傷者112人の治療にあたった。うち、女性と14才未満の子どもは合計47人であった。
ソマリアにおけるMSFの活動責任者、アルフォンソ・ラグナは語る。「ソマリアでは開院している医療施設が少ないため、人びとがそれらの施設に足をはこべる状況であること、またそれらが機能していることが決定的に重要です。」
モガディシオに帰還する人びとも出てきていた一方で、より安全な環境を求めて数千家族がこの都市を再び離れた。彼らはデイニールと、首都モガディシオから北西に30km離れたアフグーエへの途上にある避難民キャンプに居場所を求めた。MSFはこれらのキャンプで2007年から活動を続けており、年間1500万リットルの清潔な水と救援物資を提供しているが、デイニールとハワ・アブディ地域に新たに到着した避難民に対応すべく、その配布規模を急拡大する必要がある。
多くの避難民は、雨季という困難な時期に所持品を全て残して避難せざるを得なかった。過密状態にあるキャンプの劣悪な生活環境は、健康に深刻な危険を及ぼし、呼吸器感染や伝染性疾患につながる。
MSFはソマリア内戦の全当事者に対し、全ての医療施設の中立性とその職員、病気や怪我の患者について注意を喚起する。
また全ての内戦当事者に対し、一連の武力衝突の間、医療機関の中立性を尊重し、MSFが傷病者を政治、宗教、軍事的な関わりに関わりなく治療する場所を確保できるよう要求する。
MSFはまた、情勢不安など危険の多い中で医療施設を開け、全ての患者が足を運べるように注力しているソマリ人現地スタッフの献身的な努力と決意に感謝している。
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MSFは1991年にソマリアで活動を開始した。モガディシオ市内では現在、ヤクシド、アブドゥル・アジズ、カラーンで活動しており、モガディシオ近郊のデイニール、バルカド、ジョハール、ハワ・アブディでは医療施設を運営している。2008年には、ソマリアにおいて80万件以上の診察、2700件の手術を行った。(うち1239件は内戦によるもの。) ソマリア中部から南部の全域にかけて、医療を無償で提供しているのはほぼMSFだけであり、一次医療と栄養失調治療、避難民への援助、外科医療、水や救援物資の配布を9つの地域において行っている。治安状況が不安定なため、現在はソマリア国内に常駐の外国人派遣スタッフをおいていない。
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2009/5/20MSF ケニア国内の過密なキャンプで、危機にさらされるソマリア難民−食糧と水の不足から、難民の多くが戦闘地帯へ戻ることを検討−

ケニア国内の過密なキャンプで、危機にさらされるソマリア難民−食糧と水の不足から、難民の多くが戦闘地帯へ戻ることを検討−
MSF 2009/5/20
http://www.msf.or.jp/news/2009/05/1810.php
国境なき医師団(MSF)は、ソマリアで起こっている戦闘を避けてケニアへ脱出した27万人以上の難民が、ケニア北部にある過密状態の難民キャンプで食糧、水、適切な住居の不足に見舞われており、ソマリアの戦闘地帯へ帰ることさえ検討し始めている事態を報告する。
ケニアとソマリアの国境地帯の町ダダーブにあるダガレイ、イフォ、ハガデラという、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が運営する3つの難民キャンプには、推計で毎月5千人が新たに到着している。MSFは、医療活動を行っているダガレイ・キャンプで4月に健康および栄養状態の調査を行い、一時期食糧援助配給が減少していた影響で、住民の間で急性栄養失調の罹患率が高いことが明らかになった。
ケニアにおけるMSFの活動責任者、ジョーク・ヴァン・ピトゲムは語る。「すさまじい状況です。ここにいる難民はソマリアでの戦闘から逃れる為、全てを危険にさらしてきました。にもかかわらず、ケニアで緩慢な死を遂げるくらいならモガディシオ(ソマリアの首都、内戦による武力衝突で知られ、脱出する住民が多い)に戻って生きるチャンスを探すほうがましだと話す人すらいます。援助機関はキャンプで活動していますが、戦争に疲れた人びとが抱えている、膨大かつ急速に増大しつつあるニーズを満たすことはできていません。行動が必要なのは今なのです。」
ケニア政府は公式にはソマリアとの国境を閉ざしているため、難民登録のプロセスは秩序だっていない上に著しく遅滞し、検診と基本的物資の配布は適切には行われていない。
17日にはUNHCRの職員が、これらのキャンプを訪問する予定である。MSFはケニアに到着する難民に提供されている援助と庇護の不足、ならびにキャンプ内の劣悪な環境の改善に早急に対応するよう、UNHCR、国際的資金拠出者、ケニア政府に対し訴える。
ソマリア紛争を逃れた人びとは18年間にわたって、ダダーブのキャンプに移住してきた。2008年には、紛争を受けて8万人以上が到着し、キャンプ人口の合計は少なくとも27万人にふくれ上がった。各キャンプは3万人を受け入れられるが、実際にはその3倍ほどの人が住んでいる。
ダガレイ・キャンプにおけるMSFのプログラム責任者としての任務を終えたばかりの看護師、カナリは語る。「これらのキャンプは公衆衛生上の爆弾を抱えているようなものです。難民はたどり着いた時点で紛争による重い怪我や病気を抱えていることが多い上に、水、食糧、住居、医療といった生存に必要な最低水準のものさえなく過密状態におかれているのです。これほどの苦難を耐え忍んだあとで、なぜ、最も基本的なニーズが嘆かわしいくらい軽視され続けるということが起こり得るのでしょうか。」
MSFがダガレイ・キャンプで行った調査では、急性栄養失調の罹患率は22.3%にのぼった。これは緊急事態の閾値を優に超える。ダダーブの世界食糧計画(WFP)の倉庫にある食糧備蓄水準が下がったことによってキャンプ内で配給食糧は、一時的にではあるが、3割減少した。このような事態の再発防止のため、資金拠出者からの支援が緊急に必要とされている。
キャンプ内は給排水設備も少なく、健康に被害を及ぼしかねない。ダガレイ・キャンプの住民には1日あたり最低で3リットルの水で生活せざるを得ない人もおり、早急に新たな井戸を掘る必要がある。管理が行き届かず、数も足りない野外トイレによって伝染性疾患の危険性が高まる中、シェルターが著しく不足していることから、人びとはありあわせの材料で作った仮小屋や、木の下に住んでいる。ダダーブに4つ目のキャンプを建設すべく計画が進められているが、難民の基本的なニーズが満たされるようにするには物質的にもっと多くのものが必要である。
MSFは、ダダーブに住む推定9万1千人の住民のうち2区画に住んでいる2万5千人が利用する一次医療診療所を運営している。MSFは1日当たり150件の外来診察、予防接種、中度および重度栄養失調児を対象とした栄養治療活動を行っている。
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2009年05月19日

2009/5/18CNN ソマリア反政府武装勢力、南部の中核都市を占拠

ソマリア反政府武装勢力、南部の中核都市を占拠
CNN.co.jp 2009/5/18
http://www.cnn.co.jp/world/CNN200905180016.html
(CNN) ソマリアからの情報によると、首都モガディシオなどで暫定政府軍との戦闘を激化させているイスラム系反政府勢力シャバブは17日、同市の南東約90キロの都市ジョハールを占拠した。
ジョハールは暫定政府のアフメド大統領の出身地で、政府側の勢力が支配していた。地元ジャーナリストが匿名で語ったところによると、市内ではすべての商店が閉店し、住民が避難を始めた。シャバブのメンバーが市内を巡回し、警察署や政府機関に侵入している。近郊では政府側とシャバブとの交戦が散発的に続いているという。
シャバブは、06年に首都を制圧し、エチオピア軍の介入を招いたイスラム原理主義勢力、イスラム法廷連合の残存勢力の一派で、国際テロ組織アルカイダとのつながりが指摘されている。
同国では今年1月、イスラム法廷連合の指導者だったアフメド氏が大統領に就任した。大統領は最近、同国でのイスラム法(シャリア)の適用を承認したが、シャバブ側はより厳格な教義の採用を要求。この問題をめぐる対立で、双方はモガディシオで激しい戦闘を繰り返している。
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2009年05月13日

2009/5/13 ソマリア:暫定政府と武装勢力、首都で戦闘 113人死亡、避難民3万人

ソマリア:暫定政府と武装勢力、首都で戦闘 113人死亡、避難民3万人
毎日新聞 2009年5月13日
http://mainichi.jp/select/world/news/20090513dde007030021000c.html
 【ヨハネスブルク高尾具成】ソマリアの首都モガディシオで7日以降、暫定政府側と反政府武装勢力との戦闘が続いている。AP通信は12日、10日以降の3日間で少なくとも113人が死亡、避難民は2万7000人以上に上ると伝えた。
 戦闘は、暫定政府軍や政府軍支持の武装勢力と、急進的な反政府武装勢力「アルシャバブ」などとの間で続いており、AFP通信によると10日午後には礼拝中のモスク(イスラム礼拝堂)に迫撃砲が撃ち込まれ、少なくとも14人が死亡した。
 ソマリア暫定政府は1月末、辞任したユスフ大統領の後任に、かつてのイスラム系反政府勢力指導者のアハメド師を選出。4月には反政府勢力が主張するイスラム法「シャリア」の再導入を受け入れた。中・南部地域を中心にアルシャバブが支配地域を拡大している。
 アルシャバブは、イスラム系反政府勢力「イスラム法廷会議」の残存勢力を中心に組織され、国際テロ組織アルカイダとの関連も指摘されている。米国はアルシャバブ指導者に対し、制裁措置を発動している。 
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2009年05月11日

2009/5/11毎日 アルカイダ:拠点、パキスタンに 米軍司令官「アフガンにはない」

アルカイダ:拠点、パキスタンに 米軍司令官「アフガンにはない」
毎日新聞 2009年5月11日
http://mainichi.jp/select/world/news/20090511dde007030012000c.html
 【ワシントン小松健一】米中東軍のペトレアス司令官は10日、FOXテレビなどに出演し、国際テロ組織「アルカイダ」指導部がパキスタン北西辺境州の部族地域に指揮命令系統の中枢を移したとの見方を明らかにした。そのうえでペトレアス司令官は「アフガニスタンには、もはやアルカイダ指導部の拠点はない」と言明した。
 ペトレアス司令官によると、アルカイダ指導部はパキスタンからアフガン、イラクなど中東諸国、ソマリアなどで活動するメンバーらにテロ攻撃などを指示しているという。司令官は、昨年から強化している無人偵察機によるロケット弾攻撃などで「アルカイダは重大な損害を被っている」とも述べた。
 一方、パキスタン軍は北西辺境州スワート地区を支配する武装勢力との戦闘を本格化している。武装勢力はアフガンの旧支配勢力タリバンと連携関係にあるとされており、ペトレアス司令官は「迅速かつ効果的にタリバンの脅威に対処しなければならないというパキスタン政府、軍、国民の結束した意思表示だ」と評価した。
 パキスタン政府はこれまで、アフガン国境の武装勢力との間で戦闘と妥協を繰り返し、タリバンが「聖域」を広げる結果となった。ペトレアス司令官は今回の戦闘がタリバンの影響力拡大を阻止する節目になると見ており、「今後数週間の動向が決定的に重要だろう」と語った。
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2009/5/11AFPBB ソマリア首都で戦闘激化、反政府組織が拠点支配か



【5月11日 AFP】ソマリアの首都モガディシオ(Mogadishu)で10日、午後の礼拝が行われていたモスクに迫撃砲が撃ち込まれ、少なくとも14人が死亡した。モガディシオでは7日以降、反政府イスラム武装勢力と暫定政府側との間で戦闘が激化しており、医療関係者などによるとこれまでに39人が死亡、200人近い負傷者が出ている。
 7日に発生したシェバブ(Shebab Islamists)やHizb al-Islamiyaなどの反政府武装勢力と、暫定政府軍および政府支持派の戦闘員との戦闘は、9日になって市内の重要拠点をめぐって戦闘が激化。双方とも重機関銃や迫撃砲、対空砲などで武装している。
 シェバブは反政府武装勢力がモガディシオ南部のスタジアムや国防省の建物、主要幹線道路などの重要拠点を支配下に置いたと発表、複数の目撃者もこの情報を確認しているが、政府側は否定した。
 ソマリアでは、シェイク・シャリフ・アハメド(Sheikh Sharif Ahmed)暫定大統領が1月に就任して以来、複数のイスラム系武装勢力が暫定政権に参加し、政府軍の一翼を担っている。
 一方で、暫定政権は首都モガディシオを完全に掌握できておらず、南部・中部地域の支配権もシェバブに奪われている。(c)AFP/Mustafa Haji Abdinur
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2009/5/11朝日 ソマリアの首都で戦闘、65人が死亡

ソマリアの首都で戦闘、65人が死亡
朝日新聞 2009年5月11日10時17分
http://www.asahi.com/international/update/0511/TKY200905110044.html
 【ヨハネスブルク=古谷祐伸】アフリカ東部ソマリアの首都モガディシオで7日から暫定政府側と反政府武装勢力との戦闘が激化し、ロイター通信によると10日までに65人が死亡、約200人が負傷した。1月のアフメド大統領就任後、最大の犠牲になった。
 戦闘は、暫定政府軍や暫定政府を支持するイスラム勢力の戦闘員と、反政府武装勢力シャバブなどの間で続いている。AFP通信によると、10日には昼の祈りの時間帯にモスクに迫撃砲弾が撃ち込まれ、14人が死亡した。
 主要な氏族の代表者らで作る暫定政府は1月末、かつてのイスラム系反政府勢力の指導者アフメド氏を大統領に選んだ。4月にソマリア支援国会合が開かれ、先進諸国などが2億1300万ドル(約210億円)の支援を決めた。シャバブなどは、こうした動きに反発し、攻勢を強めているとみられている。
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2009年05月09日

2009/05/05日経 独政府、特殊部隊による救出作戦を検討 ソマリアの誘拐事件で

独政府、特殊部隊による救出作戦を検討 ソマリアの誘拐事件で
日本経済新聞  2009/05/05 23:55
 【ベルリン=赤川省吾】ソマリア沖で4月に海賊に誘拐されたドイツの貨物船と人質を解放するため、独政府が特殊部隊による救出作戦を進めていたことが明らかになった。独シュピーゲル誌などによると対ゲリラ戦で実績のある「GSG―9」の重武装隊員がヘリに分乗して強行突入する計画だった。最終的には多数の犠牲者が出るとの予測に政府が二の足を踏み、実行直前で断念したようだ。
 特殊部隊は米軍などの協力を得て現地近くで待機しており、合図があれば即座に行動できる段階だったという。犯人は500万ドル(約5億円)の身代金を要求しているとされる。
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2009/05/0547News 政府との戦闘続行呼び掛け ソマリア有力指導者

政府との戦闘続行呼び掛け ソマリア有力指導者
47News - 2009/05/05 00:44
 【ナイロビ4日共同】ソマリアからの報道によると、イスラム教急進派の聖職者で有力な反暫定政府勢力指導者アウェイス師は3日、ソマリアで記者団に「われわれの共通の敵との戦闘を求める」と述べ、イスラム武装勢力に対し暫定政府との戦闘続行を呼び掛けた。
 アウェイス師は国際テロ組織アルカイダとの関連が指摘され、ソマリアの武装勢力に大きな影響力を持つ。暫定政府のアハメド大統領が進める和平プロセスにとって大きな打撃となりそうだ。
 同師はアハメド大統領と会うつもりはないことも明らかにした。
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2009年05月05日

2009/5/5CNN アルカイダ系組織、ヒップホップで若者のリクルート狙う

アルカイダ系組織、ヒップホップで若者のリクルート狙う
CNN - 2009.05.05 20:00
ロンドン(CNN) ソマリアを拠点とする国際テロ組織アルカイダ系の武装勢力が、若者のリクルートを狙ったとみられるヒップホップ調の映像メッセージを流している。
この映像は、アルカイダが支援しているとされるソマリアの武装勢力「アル・シャバブ」が制作。18分あまりの映像に「迫撃に次ぐ迫撃、弾丸に次ぐ弾丸。彼らを地獄に送り込むまで止まらない」との音声がかぶせてある。
アルカイダが「ジ・アメリカン(あのアメリカ人)」と呼ぶアル・アムリキ容疑者とみられる人物も登場し、アメリカ英語で「家族や友人と離れ、アイスやキャンディと離れているのはすべて、敵と対峙するためだ」と語りかける。
これに先立ち3月には、アルカイダ指導者オサマ・ビン・ラディン容疑者のものとされる音声メッセージが公開され、ソマリアのイスラム教徒に対し「西側に協力的なアフメド大統領を倒せ」と呼びかけていた。
アルカイダの動向を分析している米調査機関インテルセンターの専門家は今回のビデオについて、「米国でのリクルートを狙ったものとしては、かなり高度な出来だ。現代の若者に訴えかける内容になっている」と指摘している。
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2009年05月01日

2009/5/11日テレNEWS24 政府派と反政府派が銃撃戦、20人死亡

政府派と反政府派が銃撃戦、20人死亡
日テレNEWS24 - 2009/5/11 2:09
http://www.ntv.co.jp/news/135007.html
 内戦状態が続くソマリアの首都・モガディシオで10日、暫定政府を支持するグループと反政府を掲げるイスラム武装勢力が銃撃戦になり、AP通信によると、少なくとも20人が死亡した。

 また、モスクや民家に迫撃砲が直撃するなど、被害が拡大している。この3日間で反政府勢力による攻撃が激化しており、死者の数は50人に上っている。

映像:
http://www1.ntv.co.jp/news/wmtram/dw/ng.html?m_url=090511010&n_url=135007
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2009年04月27日

2009/4/27朝日 ソマリア首都、国会狙う迫撃砲攻撃 住民ら8人死亡

ソマリア首都、国会狙う迫撃砲攻撃 住民ら8人死亡
朝日新聞 2009年4月27日13時0分
http://www.asahi.com/international/update/0427/TKY200904270163.html
 【ナイロビ=古谷祐伸】ソマリアの首都モガディシオで25日、暫定政府の国会を狙ったとみられる迫撃砲の攻撃があり、近隣住民や警官計8人が死亡した。国土の大部分を支配するイスラム武装勢力の攻撃との見方が強い。
 ロイター通信によると、25日正午ごろ、審議中の国会を狙ったとみられる複数の迫撃砲弾が発射された。犠牲者には子ども4人が含まれているという。議員は無事だった。
 国会は従来、暫定政府の拠点だった南部の町バイドアにあったが、今年1月下旬、イスラム武装勢力「シャバブ」に制圧された。国会は隣国ジブチで、15回目の暫定政府を率いるアフメド大統領を選び、さらにモガディシオに拠点を移していた。
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2009年04月24日

2009/04/24時事 ソマリア支援に250億円=治安強化で各国表明

ソマリア支援に250億円=治安強化で各国表明
時事ドットコム 2009/04/24-01:34
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200904/2009042400009
 【ブリュッセル23日時事】海賊による外国船舶への襲撃が相次ぐなど無政府状態にあるソマリアの治安強化を支援するための国際会議が23日、ベルギー・ブリュッセルで開かれた。欧州連合(EU)のミシェル欧州委員(開発・人道援助担当)によると、各国が会議で表明した支援総額は2億5000万ドル(約246億円)以上に達した。
 会議に出席した橋本聖子外務副大臣は記者団に対し、アフリカ連合(AU)の平和維持部隊の増強などに向け、日本政府として20億円を超える追加支援を行いたいと語った。
 橋本副大臣は会議で演説し、日本のソマリア支援について、過去2年間に人道支援などで約6700万ドル(約66億円)を拠出してきた実績を紹介。日本と欧州、中東を結ぶ重要なシーレーン上にあるソマリア沖・アデン湾での海賊対策を強化するためにも、AU部隊の増強が必要だとし、追加支援を検討中であることを強調した。 
 国連、AUと会議を共催したEUは7200万ユーロ(約92億円)の資金拠出を表明。会議終了後に発表された声明によると、物資支援を除いた各国・機関によって表明された資金総額は2億1300万ドル(約209億円)となった。(了)
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2009年04月02日

2009/4/23フジサンケイビジネスアイ ソマリア沖海賊対策 攻撃より政治的安定が解決の鍵

ソマリア沖海賊対策 攻撃より政治的安定が解決の鍵
フジサンケイ ビジネスアイ - 2009年4月23日
http://www.business-i.jp/news/special-page/oxford/200904240007o.nwc
 クリントン米国務長官は15日、海賊対策に海賊の資産凍結などを検討していると発表した。今月8日、ソマリア沖で「マースク・アラバマ号」が米国籍船で初めて海賊の襲撃を受け、フィリップス船長らが人質に取られた。米国は駆逐艦を急行させ米特殊部隊が12日に海賊3人を射殺、1人を逮捕し、人質の船長と船員を救出した。この救出劇で、海賊に効果的に対処するには軍事行動を含む強硬策を求める声が勢いづいている。
                   ◇
 ≪分析≫
 「アフリカの角(つの)」と呼ばれるソマリア周辺やアデン湾は、世界で最も海賊のリスクが高い地域だ。同地域は昨年、国際海事局(IMB)に報告された全世界の海賊事件の37%を占めた。ソマリアの海賊集団は今年60回以上襲撃を行い、240人余りが人質に取られ、身代金を要求されている。
 IMBによると、昨年同地域の海賊襲撃事件の80%以上がアデン湾で起きたが、各国が同湾に軍艦を派遣するようになって以来、海賊はソマリア東方のインド洋に活動を移している。船主はアデン湾を経由してスエズ運河を通る近道と、アフリカ南端の喜望峰を迂回(うかい)する航路を選択できる。スエズ運河経路は海賊の危険があり保険料も高い。喜望峰経路は海賊の危険は少ないが、5〜15日間航海が長くなる。アデン湾でも海賊に乗っ取られる船舶は0.5%未満で、リスクを冒し続ける船主もいる。
 ◆武力は逆効果
 米コンテナ船「マースク・アラバマ号」の救出は米軍の派遣によって成功したが、これを同地域での海賊対策の模範例とすべきではない。
 まず、監視すべき海域は500万平方キロメートル以上に及び、アデン湾を通過する船舶は年間2万4000隻を超える。これほど広大で、高密度の海路を警備するには膨大な規模の海軍を展開する必要がある。また、海賊行為の潜在的利益が極めて大きく、捕らえられる見込みが非常に小さいため、致死能力を持つ軍を派遣してもこの種の海洋犯罪を抑止できるか疑問だ。
 次に、軍艦は海上でしか海賊に対応できないが、海賊の拠点は陸上にある。海軍では、政治の腐敗、失業、低開発など、海洋犯罪を引き起こす陸上側の要因には対処できない。
 それでは民間商船に武装させたらどうか。多くの旗国(きこく)は船舶の武器携行を認めていない。また、ほとんどの沿岸諸国も武装した船舶の領海通過を厳しく制限している。武装船員の存在は海洋法で認められた「無害通航権」に抵触するばかりか、多くの港に立ち寄るコンテナ船の法的地位を複雑にする。
 次に、商船の船員は戦闘訓練を受けておらず、銃撃戦で迅速に海賊に応戦する心構えができていない。船員に武器を持たせると無用な流血を招き、船主が法外な補償金や犯罪の責任を負わされる恐れもある。さらに、ソマリアの海賊は資金力があるのでイエメンの武器商人と取引し、容易に民間商船をしのぐ武器を調達できる。
 最も強硬な策として、ソマリアの海賊の拠点に陸軍が攻撃を仕掛けたり、空爆するのはどうだろうか。
 昨年12月、国連安全保障理事会は決議1851号を採択し、海賊対策として陸上作戦を容認した。しかし、ソマリア内部の軍事行動により、経済問題が政治問題化する危険を冒すことになる。少なくとも軍事攻撃は反欧米感情を引き起こし、特に民間人の死傷者が出れば、「外国人の占領者」への反発を生む。
 反応は確実にイスラム過激派の立場を強め、ソマリアに責任ある穏健な政権を確立しようという長期的な希望を失わせよう。東アフリカの「アフガニスタン化」だ。そうなれば世界の最重要航路であり、アラビア半島に隣接する戦略的要衝が危険にさらされることになる。
 ◆米は条約批准を
 より繊細で均衡のとれたやり方のほうが、海賊対策に成功する見込みがある。まず指摘すべき基本的な事実は、ソマリアには主権国家が存在せず、有効な統治が行われていないことだ。ソマリアに政治的安定を取り戻さない限り、武装集団は増殖し続け、世界で最も重要なシーレーンの安全を脅かすだろう。
 第2に、海賊行為は地上の社会経済的状況を本質的に反映している。主要旗国は利害を共有する国々と協力し、弱体な海洋国の沿岸警備の強化に協力し、沿岸地域の治安維持を支援できるだろう。これは海洋秩序をより高い水準で一様に保つための長い道のりだが、国際社会全体の海洋安全保障に資する。
 第3に、米国は世界で最も強力な海洋国家だが、海洋秩序は集団的規範、規則、制度化された意思決定の下で初めて達成されることを認めなければならない。9.11(米中枢同時テロ)後の世界で海洋安全保障を拡大してゆくために、米議会は国連海洋法条約(UNCLOS)を批准すべきだ。
                  ◇
 ≪結論≫
 「アフリカの角」沖の海賊行為を包括的に規制するには、国際社会による対応が必要だ。それも近視眼的な軍事的手段を超えた、より繊細で、革新的な戦略が求められる。わずかな例外を除き、米国以外のほぼすべての沿岸国はUNCLOSを受け入れている。米国は、UNCLOSの枠組みのなかで、その構造を利用することを通じて初めて、海洋秩序と沿岸国の将来に最も影響力を振るえる。
posted by LMB at 10:32| Comment(0) | ソマリア内戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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